ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

現在位置

あしあと

    【地域めぐりPART4】第1問の答え

    • [公開日:]
    • [更新日:]
    • ID:13304

    ②ジャンガン

    陰暦の10月6日から15日にかけて十昼夜修される念仏のことをいい、玉泉寺では、元禄年間以前から始められ、三百年以上の伝統行事だそうです。

    諷踊文回向(ふじゅもんえこう)が特徴で、「ふじあげ」と称し、宗派を問わず先祖の年忌供養などを「講」に組織して大勢が参拝していたそうです。

    二宮神社例大祭に劣らず賑やかで、子供たちも縁日などを楽しみにしていたそうです。


    参考:玉泉寺 第二十九世 故 永井 栄泉 著「お十夜の記」より (以下抜粋)

     玉泉寺は秋川流域では「お十夜の寺」と呼ばれ、十夜法要を主要な年中行事として伝えて来た天台宗としては珍しい存在である。
     玉泉寺の十夜法要がいつ頃から発生したかは明らかではないが、天保四年(1833)再鋳された梵鐘の引には、「武蔵国多摩郡小宮領、玉川辺有一  精舎鷲峰名山寺号玉泉無量寿之像 為本尊以所十万霊等為速証仏果永  十夜別時開法莚矣 伝々」と刻まれている。即ち天保時代からさかのぼり相当古くから十夜法要が行われていたことを示している。
     また、戦時供出を免れて残っている盤鉦には、「武州多摩之郡小宮領二宮玉泉寺  寒念仏講中  文政十一年」と刻まれており、文政年間(1828)には既に十夜法要に附随して双盤鉦張念仏講中が組織されていたことがわかる。
     その後、幕末維新を越えて、又廃仏殿釈の法難もくぐりぬけ、太平洋戦争の始まる前昭和十年頃までは「お十夜」は秋川流域年間最大の縁日として盛大に賑わってっていた。門前境内には五、六軒の見せ物小屋が建ち、参道には数十軒の屋台店が並び、近郷の善男善女が先祖代々や年忌の仏の「ふじあげ」に講中をつくって参詣し、十三日の夕座から十五日の昼座まで(諷誦文回向ふじあげが、一日朝昼夕と三回行われた)三日三夜、特に中日の十四日がにぎやかで子供達はジャンガンといって二宮神社の「しょうが祭」にまして年中一番の楽しい行事であった。しかし戦争が激しくなるにつれて下火となり、昭和十九年仏具の供出によって念仏鉦を失い正式な十夜法要が不可能になった。戦後も張る鉦がなく復活の気運も起こらず、そのうち念仏講中の年寄り達も鉦張りの後継者を残さないまますべて亡くなり、ついに二宮玉泉寺の鉦張り念仏講中は絶えてしまった。
     昭和三十五年頃、先々代住職が本堂須弥壇下の物入にかくして戦時供出をのがれた双盤鉦二張りが発見された。そして昭和五十年、戦後三十年を期して先代住職が十夜法会復興の大願を発し、武蔵村山三ツ木、薬師念仏保存会の方々に鉦張りの演奏を依頼して、一応「お十夜」の復興を見ることが出来た。翌昭和五十一年には双盤二張を新鋳して補充している。
     しかし、今行っている法要の形式は戦前旧来のものではなく、先代住職が常行三味法要に諷誦文回向と双盤鉦張とを組合わせ独自に創案したものである。
     従来の諷誦文法要は朝昼夕と三座修されたが、この合間に双盤の大念仏鉦張りが行われていた。当時は二宮玉泉寺だけでなくこの近在でも、平井、大久野、高築等所々の部落に鉦張講中があり、地元の縁日だけではなく他部落の行事にもおとずれ、互いに交流を楽しんでいたようである。
     村山薬師念仏保存会もこれら講中の一つで、戦中戦後を辛くも生き残り、現在東京都の無形民俗文化財として、唯一この貴重な宗教芸能を伝承されている。
     保存会の双盤念仏は滝山流といい、玉泉寺をはじめての近在の念仏も全て滝山流だったようである。滝山流の名称は三大十夜の八王子大善寺が、古くは滝山大善寺と呼ばれていたことからとられたと思われる。
     諷誦文回向の中で唱えられる小念仏は、二宮玉泉寺独特のものであったかどうかわからないが、すくなくとも同保存会の念仏のなかには伝わっていなかったため、玉泉寺で戦前行われていた十夜法要の完全な復興は不可能となり、残念ながら今は、当時の光景が古老達の耳目に幻影幻響としてかすかに残るだけとなっている。
      なお、玉泉寺の鉦張り念仏は、村山三ツ木薬師念仏保存会の御指導の元、地元二宮の有志によって平成五年に復興して現在にいたっている。                                                                                        (鷲峰山玉泉寺HPより)

    ※現在は残念ながら行われていません。

             

    玉泉寺山門

    お問い合わせ

    あきる野市役所 教育部 生涯学習推進課
    電話: 公民館係042-559-1221

    ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます