飼い主のいない猫について
[2023年5月1日]
[2023年5月1日]
飼い主のいない猫については、さまざまなご意見が市に寄せられています。
無分別な餌やりや餌の放置による臭気の被害、私有地へ無断で立ち入っての餌やり行為、不衛生なふん尿、抜け毛などによるアレルギー反応、つめとぎなどによる自動車や家屋などへの物損被害など、理由はさまざまですが、環境衛生問題としてのご意見がほとんどです。
捕獲・処分して欲しいという相談もいただきますが、猫は法律で愛護動物と定められており、むやみに捕獲や処分を行うことができません。
一方で、「かわいそうな猫を助けてあげたい」、「これ以上増えないように不妊去勢手術を受けさせたい」など、動物愛護の観点からのご意見もいただいております。
T(トラップ:猫を捕まえて)
N(ニューター:不妊去勢手術を行い)
R(リターン:元の場所に戻す)
といった、飼い主のいない猫を増やさないための対策です。手術を終えた猫からは子猫が産まれないため、頭数の抑制が見込まれます。
また、元の場所に戻す際は、土地所有者や管理者などの許可を得たうえで、トイレの設置・清掃やエサの管理などをし、周囲の生活環境被害の防止に努めるなど、手術後の世話も含めて取り組みます。
不妊去勢手術後は、終生屋内飼育をする新しい飼い主への譲渡が望まれております。屋外では交通事故や感染症などの危険があるためです。
地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫です。
その地域にあった方法で、飼育管理者を明確にし、飼育する対象の猫を把握するとともに、エサやふん尿の管理、不妊去勢手術の徹底、周辺美化など地域のルールに基づいて適切に飼育管理し、これ以上数を増やさず、一代限りの生を全うさせる猫を指します。
地域猫活動は地域住民と飼い主のいない猫との共生をめざし、不妊去勢手術を行ったり、新しい飼い主を探して飼い猫にしていくことで、将来的に飼い主のいない猫をなくしていくことを目的としています。
(環境省:住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインより抜粋)
市では、飼い主のいない猫問題の解決方法として、社会福祉協議会に登録のあるボランティア団体とともに、平成28年度から「公益財団法人どうぶつ基金」(*1)が実施している「さくらねこ無料不妊手術事業」の支援を受け、行政枠手術チケット(*2)を利用し、市内の飼い主のいない猫に不妊去勢手術を施し、耳先をV字カット(*3)した後、元居た地域へ戻しました。また、不妊去勢手術を施した飼い主のいない猫のうちの一部は、ボランティア団体の協力により、新しい飼い主さんの元へ譲渡されました。
地域に戻された飼い主のいない猫は、ボランティア団体の方々と地域の協力者により、適切な方法で給餌し、トイレの設置やふん尿の清掃を行い、環境衛生問題が発生しないように管理をしていただいています。
動物の適正な飼育法の指導・動物愛護思想の普及等を行い、環境衛生の向上と思いやりのある地域社会の建設に寄与することを目的とする公益財団法人です。
どうぶつ基金が発行している無料不妊手術チケットで、全国の協力病院で使用できます。
さくらねこTNRは猫や犬とヒトが幸せに優しく共生できる社会を目指す「公益財団法人どうぶつ基金」とあきる野市健康福祉部健康課の協同事業です。
手術済のしるしとして猫の耳先をV字にカットします。さくらの花びらの形のようでもあるため、「さくら耳」「さくらねこ」ともいいます。
*全身麻酔がかけられているので、猫は痛くありません。
*出血もほとんどありません。
年度 | 手術頭数 | 手術後の譲渡頭数 |
---|---|---|
平成28年度 | 50頭 | 10頭 |
平成29年度 | 80頭 | 4頭 |
平成30年度 | 100頭 | 18頭 |
令和元年度 | 186頭 | 8頭 |
令和2年度 | 184頭 | 17頭 |
令和3年度 | 82頭 | 0頭 |
令和4年度 | 92頭 | 3頭 |
行政枠手術チケットの利用をお考えの方は、次のことをご確認と、ご承認いただいたうえで、問い合わせてください。
公共性があり、術後管理の具体的な計画がある場合に、公益財団法人どうぶつ基金に行政枠手術チケットの申請をします。なお、公益財団法人どうぶつ基金が発行する行政枠手術チケットには限りがありますので、ご希望通りに配分できない場合もあります。
●行政枠手術チケットは、飼い猫は対象ではありません。あきる野市内に生息する飼い主のいない猫が対象です。
(飼い猫の繁殖に関わる適切な処置は、動物の愛護及び管理に関する法律に飼い主の努力義務として規定されています。)
●不妊去勢手術の実施だけでは対象にはなりません。
●不妊去勢手術後、譲渡可能な猫については終生屋内飼養をする新しい飼い主への譲渡に努めてください。
●不妊去勢手術後の猫を手術前の生息場所に戻す場合は、 猫の世話をしている人または団体が、自らの責任において、適正に管理(※1)を行ってください。
※1 適正に管理とは
(1)活動する土地の所有者や管理者の了承、近隣地域住民の理解を得ていることです。
(2)置きエサはせず、適切な方法で給餌し、トイレの設置やふん尿の清掃を行い、近隣地域住民に十分配慮し、環境衛生問題が発生しないように管理することを言います。
*一般的に行われている適正な管理の例
エサやり
排泄物の掃除
「公益財団法人どうぶつ基金」では、行政枠チケットのほか、個人枠での申請も受け付けております。個人枠の利用方法につきましては、「公益財団法人どうぶつ基金」をご覧ください。
飼い主のいない猫は、苛酷な環境の中で交通事故や感染症などの危険にさらされながら、懸命に生きている「命あるもの」です。
そのような飼い主のいない猫をこれ以上増やさないために、市内にも個人やグループで地道な活動をされている方々がいます。
しかし、無責任な餌やりや、不妊去勢手術をしていない飼い猫の放し飼いをすれば、飼い主のいない猫を減らしていくことができないのです。
かわいそうだからと、ただ餌を与えるだけでは子猫が次々に生まれ、かえって不幸な猫を増やし、生活環境を悪くして、住民トラブルの原因にもなってしまいますので、適切な管理をしないのであれば止めてください。
また、飼い猫は屋内飼育が推奨されています。飼い主のいない猫を増やさないためにも、繁殖を望まない場合には不妊去勢手術をして、適正に飼育してください。
猫は室内で飼おう!