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あしあと

    平成24年度 施政方針

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    平成24年度施政方針

      臼井孝市長は、平成24年第1回市議会定例会初日の2月29日、平成24年度の施政方針を発表いたしました。この施政方針は、市政運営の基本方針と重点施策で構成されています。

     

     未曽有の大災害である東日本大震災から間もなく1年が経過しようとしています。想像を絶する震災の傷跡の中、ふるさとの再生に立ち上がる人々の姿に多くを学び、わが市のまちづくりへの決意を新たにしたところであります。
     日本経済は、東日本大震災の影響により、依然として厳しい状況にある中で、景気は緩やかに持ち直しているといわれておりますが、エネルギー不足や空前の円高などにより、引き続き予断を許さない状況にあると考えております。
     また、国においては、いわゆる衆参ねじれ国会を背景に、一括交付金化などの地域主権改革や子ども手当などの各種制度の見直しなど、地方に関連した課題も山積しております。
     このような状況を十分踏まえながら、将来都市像の実現に向け、あきる野市の地域特性を生かした施策を展開してまいります。

    環境都市あきる野の実現

     郷土の恵みの森構想の下、地域の皆様との協働により、様々な取組が進められ、貴重な自然資源や生態系を知ることができました。
     トウキョウサンショウウオをはじめとする多くの絶滅危惧種、希少動物、それらが棲む良好な環境を将来に引き継ぐことは、現代に生きる我々の責任の一つでありますので、郷土の恵みの森構想の精神を基に、生物多様性地域戦略の策定に向けた取組に着手してまいります。
     また、閉校を迎える小宮小学校に自然体験学校を開校し、森の子コレンジャーや市内の小学生を対象に、森の多面的な機能やその重要性、郷土の歴史、文化などの体験学習を通して、次代を担う人材を育んでまいります。
     さらに、里山への回帰による森づくりを実践する試みとして、産・学・官連携の取組など、地域や様々な主体と連携した取組をさらに推進してまいります。
     世界規模の課題である地球温暖化防止につきましては、行政活動により発生する温室効果ガスの排出抑制に向けた、第三次の実行計画を策定するとともに、市民・事業者の皆様とともに取り組む、全市域を対象とする地域計画を策定し、対策を進めてまいります。

    災害に強いまちづくりへの取組

     東日本大震災は、これまでの防災対策のあり方を根底から揺るがすものであり、快適で安全と思われていた都市環境の脆さを露呈することとなりました。大震災の教訓、国や東京都の計画の改定などを踏まえ、地域防災計画を再構築してまいります。
     市内各地域では、東日本大震災以前から、「自助」「共助」の精神の下、防災・安心地域委員会を中心とした地域主導の防災活動が展開され、すでに、100人を超える防災リーダーが誕生しておりますが、総勢300人を目標に、さらに防災リーダーの育成に努めてまいります。
     避難所など各地区の防災拠点となる公共施設の耐震化につきましては、耐震診断の結果に基づき、早期完了に向けて取り組み、特に、耐震化完了後の旧秋川図書館につきましては、第二の防災センターとして、防災備品の備蓄庫などに活用してまいります。
     また、災害時の情報伝達の重要性に鑑み、防災行政無線機能を補完する自動応答システムなどに加え、町内会・自治会ごとに、防災行政無線の個別受信機を配備してまいります。すでに、防災・安心地域委員会、町内会・自治会には無線機が配備されておりますので、これらを一体的に活用することで、市と地域の情報網のさらなる強化ができると考えております。
     さらに、小中学校と教育委員会には、災害時の通信手段として有効なPHSを配備し、市と各学校間の情報網の強化に努めてまいります。

    暮らしを豊かにする産業の活性化

     市全体の産業の底上げを図るため、市内3地区の活性化戦略委員会や公共交通機関、民間事業者等で立ち上げた地域経済活性化本部と緊密に連携し、民間の知恵や技術等の支援をいただきながら、地域経済力のさらなる強化に努めてまいります。
     特に、観光産業につきましては、豊かな自然環境や歴史・文化を観光資源として活用しながら、地域の自立的な経済発展を支える柱として育成することが必要であります。このため、地域特産品の企画・開発のほか、秋川流域が相互に連携した観光戦略の展開、情報発信やPR活動の強化など、市民・事業者の皆様とともに取り組んでまいります。
     また、秋川流域ジオパーク構想につきましては、新たな観光資源としても期待されるものであり、地域活性化に貢献できるよう、市民等で構成される秋川流域ジオパーク推進会議に参画し、調査検討を進めてまいります。
     商工業の振興につきましては、商工会と連携して、商品開発や住宅改修に対する支援を継続するとともに、5月に開催予定の大多摩B級グルメにおいて、あきる野ブランドを広く情報発信し、地域活性化につなげてまいります。
     次に、農業の振興につきましては、都市の有利性を生かした農業経営を強化するため、高い経営意欲を持つ農業者に対して、農産物加工施設の導入を支援することにより、地域農産物の生産性、品質向上、付加価値化を推進し、魅力ある農業経営を確立してまいります。
     また、改定した「あきる野市農業振興計画」に基づき、担い手の確保・育成や遊休農地の活用、獣害防止対策など、あきる野農業が持つ「農」の可能性を高めるため、着実に施策を実施してまいります。
     林業の振興につきましては、効率的な林業経営の基盤となる林道整備事業に、東京都の支援を受けながら引き続き取り組んでまいります。

    安心して暮らせる福祉の充実

     急速な少子高齢化が進行する中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていける環境を整備することは非常に重要であります。
     高齢者の見守り事業につきましては、さらに見守り希望者の拡大を図り、防災・安心地域委員会による見守り事業とともに、地域全体で高齢者を支えるまちづくりを進めてまいります。
     また、町内会・自治会連合会で取り組んでいただいている救急医療情報キットの配布事業は、「救急隊のスムーズな対応が図られた」などの実例が報告されており、災害や急病に備える大変有意義な事業として、継続して取り組んでまいります。
     要望の高い、高齢者に対するおむつ等給付事業につきましては、助成対象者を拡大することで、家族の経済的、精神的負担を軽減してまいります。
     また、認知症や障がいにより、判断能力が不十分な方を保護する成年後見制度につきましては、高齢化の進行を背景とした利用相談の増加に対応するための体制を整備してまいります。
     子育て支援につきましては、あきる野で子どもを安心して産み育てられる環境をつくるため、待機児童解消に向けた取組として、引き続き、東秋留保育園のほか3園の施設整備を支援するとともに、新たに五日市保育園の耐震化工事を支援してまいります。
     また、若竹児童館と多西児童館の改修工事により、学童クラブの定員を増やし、児童の健全育成と保護者の就労支援の充実に努めてまいります。
     保健分野につきましては、関係医療機関と連携を図りながら、子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチン接種助成を継続するとともに、新たに高齢者の肺炎球菌による重症化を防止するため、予防接種の助成を実施してまいります。
     また、妊婦健康診査における超音波検査対象者の年齢制限を撤廃するなど、健康で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
     さらに、小宮地域の自治の活性化と住民のふれあいを通した健康的で充実した生活を支援するため、閉校となる小宮小学校を活用し、小宮ふれあい交流事業などを実施してまいります。
     市営住宅の建て替え事業につきましては、建設用地の取得や建築に当たって必要となる手続を進めてまいります。

    都市基盤の着実な整備

     主要な幹線道路となる都道の整備につきましては、東京都からの受託事業として都道165号線の用地買収に取り組むとともに、東京都施行による秋3・3・9号線や平成25年度に完成予定の秋3・4・16号線JR五日市線立体化工事につきましては、市域の南北を結ぶ重要な路線でありますので、早期完成が図られるよう東京都との連携を密にして対応してまいります。
     また、武蔵増戸駅南口の市道伊奈44号線をはじめ、市道深沢線、市道548号線の整備を継続して実施するほか、橋りょうの老朽化対策や市道盆堀線の落石防止対策、小峰工業団地内の道路照明LED化を進めてまいります。
     武蔵引田駅周辺地区土地区画整理事業につきましては、諸手続を進めるとともに、まちづくり協議会と連携しながら、市民と行政が一体となったまちづくりを進めてまいります。

    教育とスポーツ・文化の振興

     学校施設の整備につきましては、これまで最優先に取り組んでまいりました、小中学校の校舎と体育館の耐震化が完了し、災害時の地域の避難所としても機能する安心・安全な教育施設となりました。引き続き、特別教室のエアコン設置に取り組むとともに、児童数の増加が見込まれる草花小学校の校舎増築工事を実施してまいります。
     また、トイレの洋式化につきましては、平成26年度までの3か年で、全ての小中学校の整備目標が達成できるよう、計画的に実施いたします。
     さらに、老朽化した学校給食センターにつきましては、施設整備の手法や運営方法等の検討を進めてまいります。
     一方、児童数の減少が課題となっていた小規模学校のうち、戸倉小学校につきましては、平成25年4月に五日市小学校へ統合することとなりました。戸倉小学校は、長年取り組んでいる愛鳥教育で全国にも名を馳せており、地域の誇りであります。同校が閉校となることは、地域の皆様にとって思い悩んだ末の決断であったと思います。今後は、小宮小学校と同様に、地域の方々との検討の場を設け、児童の安全対策や通学手段のあり方、施設の活用方法などにつきまして、万全の策を講じてまいります。
     平成23年度から平成25年度までを計画期間とする「あきる野市教育基本計画」は、2年目を迎え、小中一貫教育の推進など、「人が育ち 人が輝く あきる野の教育」の実現に向け、さらに取組を充実してまいります。
     平成25年度の東京多摩国体におきまして、あきる野市では、自転車ロードレース、馬術及びソフトボールの3つの競技が開催されます。また、本年9月には、ソフトボールと自転車ロードレースのリハーサル大会を開催いたします。今後も、東京都や関係団体と緊密な連携を図り、開催に向けて気運を高めてまいります。同時に、地域の魅力を発信する絶好の機会と捉え、全国各地から集う人々を温かく迎えられるよう、地域や各種団体との協働による事業を展開してまいります。
     市制20周年記念行事として、平成27年の開催に向け取組を進めている全国地芝居サミットにつきましては、開催準備委員会による視察などを通じ、具体的な準備を進めてまいります。

    行政改革の更なる推進

     これまで、財政の健全化を最重点課題に掲げ行政改革に取り組んできた結果、100パーセントを超えていた経常収支比率は94.9パーセントまで改善しております。
     また、財政調整基金の残高は9億円を超えるまで回復しておりますが、積立額16億円を目標に、さらなる行政改革により強固な財政構造を確立する必要があります。
     そのため、アウトソーシングを促進させ、さらなる定員管理の適正化やサービス水準の向上を図るなど、引き続き行政改革を推進しながら、効率的・効果的な行政運営に努めてまいります。
     加えて、歳入の根幹であります市民税等の納税環境を整えるため、コンビニ収納に取り組んでまいります。
     さらに、少数精鋭主義に基づく、質の高い行政サービスを実現するため、職員一人ひとりの資質を最大限引き出し、能力を向上させながら、組織全体を強化していけるよう職員の育成に努めてまいります。

     

     本市の魅力を生かし伝える「環境都市あきる野」、そして「東京のふるさと・あきる野」の実現に向け、着実な歩みを進めてまいります。
     また、尊い多くの命が失われた大震災を教訓とし、より一層の「災害に強いまちづくり」に取り組み、平成27年にあきる野市が晴れの成人式を迎えられるよう、全力で市政運営にまい進してまいりますので、市民並びに議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げまして、平成24年度の施政方針といたします。


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